猫の病気「口内炎」について症状や治療法などをまとめて書きたいと思います。
比較的早い年齢から口内炎になってしまう子も多く、治療にも時間がかかってしまう病気です。
口内炎は人間にもよく出来るものですが、猫は症状が分かりづらいので発見するのが遅くなってしまうことが多いです。
人間と違って猫の口内炎は深刻な状態になりやすいので、早めの治療が大切です。
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も・く・じ♡
猫の口内炎とは?
口内炎は口の中の粘膜に炎症や潰瘍などができてしまう病気です。
人間も免疫が低下した時やビタミン不足になったときになりやすい病気ですが、猫は口内炎になったときに「痛い」と人間に伝えることが出来ないため、発見が遅れて悪化していることが多くあります。
人間と猫との口内炎の違いは、小さくポツンと炎症が起きる人間に対して、猫は口の中の広範囲に渡って炎症を起こす、というところです。
かなりの痛みを伴っていることが多いので「すぐ治るだろう」と軽く考えるのは危険です。
猫の口内炎には二つの種類があります。
系統性口内炎
系統性口内炎は、猫風邪などの他の病気で免疫力が低下していたり、ビタミン不足になってしまっているときに起こる一時的な口内炎です。
薬などを服用している場合にも発症してしまうことがあります。
系統性口内炎は、体調不良や栄養不足のときに起こりやすいものなので一時的なものだとは言われていますが放置していると悪化してしまう可能性もあるので注意しましょう。
壊死性口内炎
壊死性口内炎は、歯周病が原因で起こる口内炎です。
歯のケアを行っていないと細菌が増えて歯茎が炎症を起こして歯肉炎になり、そこから口内炎になってしまうものです。
壊死性口内炎は再発する可能性が高いと言われているため口内のケアが非常に大切になってきます。
潰瘍性口内炎
潰瘍性(かいようせい)口内炎は、慢性的になってしまう口内炎のことで、治すことが困難と言われています。
原因が不明な厄介な口内炎なので「難治性口内炎」や「慢性口内炎」とも呼ばれます。
原因の一つとして、免疫力が弱っているときに何らかで口の中で傷ができ、そこに細菌が入ることで発症してしまうのではないかと言われています。
潰瘍口内炎は広範囲で潰瘍が出来てしまうため、症状も比較的わかりやすいかと思います。
口の中を猫が自分の歯で傷つけている場合、抜歯をすることもあります。
口内炎の症状
口内炎の症状は全て同じですが、初期症状で発見することは難しいことが多いです。
口内に炎症が起こり、普段の生活で症状が出てくる頃には悪化していることが多いので、猫の様子がおかしい場合は早めに病院へ連れて行くことをオススメします。
初期症状
猫の口内炎の初期症状です。
- 口臭がある
- 口の中が赤くなる
初期の状態では行動に症状が出ないので気が付きにくいです。
歯磨きを毎日している猫ちゃんなら気がつくことも出来るとは思いますが、基本的に猫は歯磨きを嫌がるので難しいかと思います…。
口の中の違和感で、前足で口周りを掻くようなしぐさをする猫も多いようです。
悪化してから出る症状
口内炎は悪化すると普段の生活に支障が出るくらいの症状が出ます。
- 口臭が強くなる
- 口の中にボコボコとした潰瘍が出来る
- 食欲不振
- ヨダレが出る
- 口の周りが汚くなる
- 舌を出す
- 水が飲めなくなる
- 毛づくろいをしなくなる
- 口の中に出血がある
悪化するとこれだけの症状が出るので元気がなくなり、脱水症状を起こす危険性もあり最悪死に至るケースもあります。
ご飯を食べなくなったり水を飲まなくなると、かなり危険な状態です。
ここまでになるとかなりの痛みがあるので、これらの症状が見られる場合はすぐに病院へ連れて行きましょう。
スポンサードリンク口内炎の治療
猫の口内炎は、完治は難しいと言われています…。
口内炎になる原因が他の病気との弊害だった場合、口内炎は一時的なものなのでそちらの治療が優先されます。
ですが原因がそれ以外の場合、口内炎に対する特効薬というものがないので、口の中の細菌を減らしたり、原因となる傷を取り除くという療養方法しかありません。
その方法として、いくつかご紹介します。
薬物投与
薬を投与することで治療をしていきます。
細菌を抑える抗菌薬や炎症を沈める抗炎症薬など、獣医師が猫の状態を見て処方してくれるかと思います。
ですが、薬物投与はあまり効果がないとも言われています。
薬を長期間使い続けることによって、副作用が出たり効果が薄れるといったこともあるので、その辺は動物病院の獣医師とよく相談して納得のいく薬を見つけたいですね。
レーザー治療
レーザー治療は全身麻酔をかけて、口内炎をレーザーで焼いてしまうという方法です。
症状がひどい場合にレーザー治療を使うことが多いと言われています。
やはり全身麻酔をかけるということからレーザー治療を好まない飼い主さんも多く、レーザー治療後は一時的に痛みは減りますが口内炎が再発することもあるので何回か治療を行わなければいけない場合もあります。
そしてレーザー治療は、機械が置いてある病院が少ないため、治療が出来る場所も限られてきます。
歯石の除去
口内に炎症が起こるということは、歯垢や歯石が溜まって口内に細菌がたくさんいる可能性があります。
特に口臭がひどい場合は歯石が溜まっていることが多いです。
猫も人間と同様、歯磨きは必須なのですが嫌がる猫ちゃんが多いため歯磨きをしていない猫ちゃんは多く居ると思います。
そうなると知らない間に歯垢や歯石が溜まり、それが原因で歯周病や歯肉炎から口内炎を引き起こしている可能性が十分に高いです。
動物病院に行けば「手術」という形にはなりますが全身麻酔を使い、歯石を除去してくれます。
動物病院での歯石除去料金は大体2万円前後くらいになります。
猫の身体への負担と料金を考えると悩むところですが、歯石は早めに取っておかないと老猫になってからだと体力がないので歯石除去を断られることも多くあります。
ただ、口内炎がある場合はそちらの治療もしていかなければいけないので料金はもっとかかってしまうこともあります。
抜歯
猫の口内炎の治療法の中で一番効果があると言われているのが「抜歯」です。
口内の細菌は歯に溜まることが多いので、その原因となる歯のみ、または全部の歯を手術で取り除いてしまうのです。
抜歯は全身麻酔をするので、大掛かりな手術になってしまうのと「歯がなくなったら可哀想」と思う飼い主さんも多くいます。
ですが猫はほとんどのエサを噛まずに丸ごと飲み込んでしまうので、歯がなくてもあまり困りません。
口内炎の原因となる細菌の居場所をなくすことで、状態が良くなっている猫ちゃんはたくさん居るので勇気がいる選択ではありますが、候補の一つにいれておきたい治療法かと思います。
ただ、抜歯をすることで全ての猫ちゃんの口内炎が良くなるわけではないことも頭に入れておいて下さい。
抜歯の費用は病院や抜歯する数によって異なるのでかかりつけの動物病院で相談してみましょう。
抜歯や歯石除去は体力を使い、大掛かりな手術となってしまうので慎重に病院選びをしたいですね。
食事の工夫やサプリを使う
口内炎になってしまうと口の中が痛いため、食欲減退することが多く必然的に免疫力も低下してしまい口内炎も治りにくくなってしまいます。
なので、少しでも免疫を高めるために栄養を摂取しなければいけません。そのためにはご飯を工夫する必要があります。
口内炎があると食べ物が飲み込みにくかったり、ちょっと触れただけでもピリッとしてしまうのは人間も猫も同じです。
猫のほうが口内炎の範囲は広いので、ドライフードなんかは特に食べづらいと思います。
猫に口内炎がある場合、ウェットフードやドライフードをお湯でふやかし柔らかくしたものを与えるようにしましょう。
少しでも食べやすく飲み込みやすくすることで、少量でも栄養を摂るJことが出来るかと思います。
サプリに関しては、動物病院でオススメのものを聞くのが一番良いです。
動物病院では、猫の口内炎の治療に薬とサプリを併用して飲ませることを勧める獣医さんも多いので相談してみましょう。
口内炎の予防
猫が口内炎にならないための予防法を書いておきます。
基本的には普段から口の中を清潔に保つことが大切ですが、猫は歯磨きを毎日出来ないことが多いので代わりとなる予防法を紹介したいと思います。
歯石予防が出来るフードを使う
私は家の猫に歯石予防としてこれを与えています。
動物病院の獣医さんに教えてもらったドライフード、プリスクリプション・ダイエットの「t/d」です。
主食として毎日与えるだけで、フードが歯垢を削りとってくれるので歯石予防をすることが出来ます。
普通のキャットフードに比べるとやっぱり療法食なので値段は高めですが、口内炎や歯周病などのリスクを考えると予防として普段から与えておいたほうが良いと思います。
歯磨きをすることが出来ない猫ちゃんにオススメのフードです。
マウスケア用品を使う
猫ちゃんが歯磨きできない場合、マウスケア用品を使うことで口内を清潔に保つことが出来ます。
マウスケア用品にも色々ありますが、個人的にはスプレータイプのものが便利かなと思います。
私の猫には口の中にスプレーするタイプのものを使っていますが、他にも歯に直接塗るタイプのものや、飲水に混ぜて使う液体タイプのものがあります。
これらも毎日使って効果が出るものなので、続けて使うことで歯垢や歯石を作りにくい口内環境にすることが出来ます。
歯石はどんどん蓄積されていくものなので、口内ケアは日頃から行うことが大切です。
スポンサードリンク猫の口内炎は完治が難しい
猫が口内炎になってしまうと完治は難しいと言われています。
人間のようにすぐに治るようなものではなく、猫にとっての口内炎はかなり深刻なものです。
年単位での治療をすることも少なくなく、それでも治らない猫ちゃんもいますし、食事が満足に出来ない分、体力も衰えていってしまいます。
口内炎は発見次第早めに動物病院へ連れていきましょう。
口内炎にならないためにも、普段からのマウスケアなどの予防もしっかりとやっておくことが大切だと思います。
普段からの健康管理という意味でも、年1回は定期検診も受けるようにしましょう。
そして、いつどのような病気になっても問題ないようにペット保険に入っておくことも強くオススメします。
猫の口内炎の症状や治療法まとめ…再発しやすく完治が難しい病気
口内炎のように完治しずらい病気は治療費が莫大にかかってきます。そういう不安をなくすためにも入っておくと安心できるかと思います。
猫ちゃんの口内ケアや口内炎で悩んでいる飼い主さんやへ、参考になれば嬉しいです。