猫ちゃんには「分離不安症」という病気があるのをご存知でしょうか。
飼い主がいないと不安になって、粗相をしてしまったり大きな声で鳴き続けます。重症になると膀胱炎になったりすることもあります。
うちの猫にも少しその傾向が見られるのですが、症状や改善策などをまとめておきたいと思います。
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も・く・じ♡
分離不安症とは
飼い主に対して依存心を覚え、飼い主が出かけたりするだけでどうしようもない不安にかられてしまう病気です。
飼い主が不在になったときにだけ、粗相をしたり問題行動を起こすのが特徴なので、飼い主に対しての嫌がらせのように見えてしまいますが実際は不安からどうしようもない気持ちになり、何かしら行動を起こさないと落ち着かなくなってしまうのでやってしまう行動です。
通常はある程度の年齢になると親猫が突き放して独り立ちをするのですが、小さい頃から人間に飼われている犬猫は突き放されることがないので独り立ちが出来ず「分離不安症」にかかりやすくなってしまいます。
1匹飼いの猫になりやすい
分離不安症は、飼い主と猫が1対1で過ごしている環境でなりやすいと言われています。
飼い主さんが一人暮らしをしており、猫も1匹しか飼っていないという状態が一番危ないです。
1対1で過ごす環境を習慣にしてしまうと、猫が飼い主依存になってしまい留守番が出来なくなってしまいます。
1対1の時間を作れば作るほど、猫にとっては飼い主が全てで飼い主がいないと不安になってしまう状態を作ってしまうのです。
多頭飼いをしていたり、他にも家族がいる場合には1対1の環境が作られにくいので分離不安症になる心配はあまりないようです。
分離不安症の症状
分離不安症の症状は飼い主が留守にすると発症します。
軽い症状から重い症状まで様々ですが、重症になってしまうと留守にすることで別の病気にかかってしまう可能性もあるので早めに治療を開始することが重要になってきます。
留守中に大きな声で鳴く
まずは、飼い主が留守になると大きな声で鳴いて探し回ります。
大きな声で鳴き出すと見つけるまで鳴き続けることもあるので声がかすれてしまうこともあります。
留守中に鳴く、という行為は完全室内飼いの猫ちゃんに多く見られる行動なんじゃないかなと思います。
私の猫も私が出かけると、義母いわくずっと鳴いて探しているようです。
猫は犬のように大きな声で鳴くことはないので近所に迷惑をかけることはないのですが、重症化しないためにも対策を早めにした方が良いです。
他の人に攻撃的になる
飼い主がいない不安から、ストレスが溜まり他の人に攻撃的になります。他の人に対して威嚇をしたり時には引っ掻いたりすることもあります。
家で一匹にした場合、そのストレスから物を壊したりグチャグチャにすることもありますが飼い主に対して嫌がらせでしているのではなく、不安からどうしようもなくやってしまっていることなので怒ると逆効果になってしまいます。
この「人や物に攻撃的になる」というのは、何もない状態なら飼い主さんが我慢すればいいだけなのですが病院に行かなくては行けなくなった時や入院しななければいけなくなったときに、病院の先生や看護師さんに攻撃的になり、治療が出来なくなってしまうケースもあります。
粗相やスプレー行為をする
飼い主が留守にしてしまうと、姿が見えない不安から粗相をしてしまいます。
これも飼い主が見えない不安からやってしまうことなので、上記と一緒で嫌がらせでしているわけではありません。
外から帰ってきた飼い主さんが粗相をしているのを見つけて怒るのは猫をもっと不安にさせてしまうので何も言わずに片付けましょう。
後追いをする
家の中どこに移動しても後ろにくっついて歩いてくる、というのも分離不安症の症状の一つです。
飼い主と離れるのが怖いと思っているのでトイレやお風呂など、どこでもついて行かないと不安になってしまうのです。
少しでも姿が見えなくなってしまうと大声で鳴いたりソワソワします。
鳴いたらすぐに駆けつける、なんてことをしていると飼い主が来るまで鳴き続けることもあるので気をつけましょう。
食欲不振になる
分離不安症は精神的な病気なので、飼い主が出かけて姿が見えなくなると不安になってストレスが溜まってしまいます。
ストレスが溜まることで、食欲がなくなってしまったり吐いてしまう子もいます。
飼い主がいる前でしかご飯を食べなかったり、留守中に吐くことが多い場合は分離不安症を疑ったほうが良いかもしれません。
スポンサードリンク分離不安症の治療
分離不安症は心の病気なので、治すことは出来ます。
ですが、すぐに治るものではなく根気と時間がかかるのだけは覚悟しましょう!
この分離不安症の病気は、うちの猫マロちゃんがかかってしまった「ウールサッキング」という病気に近いのでこちらも参考にしてみてください。
このウールサッキングも早い時期に母猫の離れた寂しさからかかってしまう心の病気なので、根気と時間がかかりました。
ですが今はほぼ完治しているので、諦めずに向き合って改善方法を試してみることが大切です!
猫の安心できるテリトリーを作る
分離不安症になっている猫は、飼い主と離れることで自分の場所がなくなってしまったと思いパニックを起こしてしまいます。
なのでまずは飼い主がいなくても安心できるスペースを作ってあげることから始めましょう。
私はマロちゃんがウールサッキングをしていたときにケージを使っていたのですが、分離不安症も同様にケージを使いましょう。
飼い主が一番長く居る空間にケージを置き、1日数時間はそのケージの中で過ごさせること安心できる場所を作ることが出来ます。
飼い主が着ている服など、飼い主の匂いがついているものを一緒に入れてあげると安心できるかと思います。
そしてエサや水、トイレなどもケージの中に置いておくと、食欲不振や膀胱炎などの病気予防にもなります。
分離不安症の猫は飼い主がいなくなるだけで、孤独感に襲われて食欲不振や最悪膀胱炎になってしまうこともあるのでケージは安全という認識をつけておきたいですね。
外出前後で声をかけない
猫は飼い主の行動をチェックしています。
飼い主の出かける前の行動を見て、遠くに出かけるのか近くの場所に出かけるかなども雰囲気で分かる子が多いみたいです。
声をかけることで出かけることが分かると、不安から暴れだしたりストレスを与えてしまいます。
声をかけずにスッと外出することで、外に出ることが何とも無いこと、という認識を与えなければいけません。
帰宅後もすぐに猫に声をかけてしまうと飼い主依存が悪化してしまいます。
何事もなかったかのように帰宅して、甘えてくる猫をスルーし、猫が落ち着いてから相手にしてあげることを心がけましょう。
猫が好きなおもちゃを置いておく
上の外出時の注意に繋がることですが、猫が留守番をしている間、不安にならないように猫の好きなおもちゃを置いて、いつでも遊べる環境を作っておきましょう。
おもちゃを置いておくことで遊んでくれるので、不安を紛らわせることが出来ます。
おもちゃで遊んだ後は疲れて眠ってしまう事が多いので、猫ちゃんの好みのおもちゃを把握しておくことが大切です。
粗相をしていても怒らない
分離不安症がある猫は、飼い主が出かけいている間に粗相をしてしまうことがあります。
でも飼い主への嫌がらせではなく、孤独感や不安からしてしまうことなので絶対に怒らないようにしましょう。
粗相をしたその場で叱るのは躾になりますが、時間が経ってから怒るのは、猫からすると飼い主が何に対して怒っているのか全くわからず逆に恐怖心を覚えてしまいます。
帰ってから粗相をしてしまっているのを見つけた場合、何も言わずにササッと片付けましょう。
子猫を迎え入れる
飼い主に依存しきっている猫ちゃんのところに、可能ならば新しい子猫ちゃんを迎え入れることで猫にとってガラッと環境が変わるので分離不安症の症状が落ち着くことがあります。
うちの猫マロちゃんもウールサッキングの症状がひどかったのですが、新しい猫ミコちゃんを迎え入れたことによってかなり症状が軽減しました。
新しい猫が入ることで、遊び相手にもなってくれるし猫同士の上下関係なども出来て、飼い主は相手にされなくなります…笑
猫の寂しさが紛れるという意味では子猫を迎え入れるのは効果的だと思います。
動物病院に行く
症状が重い場合や、対策をしても中々良くならない場合は動物病院へ行き相談しましょう。
飼い主がストレスを溜めていると猫は敏感に感じ取ってしまうので、どうしようもない場合は早めに動物病院へ行ったほうが良いです。
動物病院では、症状を抑える方法などを説明してくれるかと思います。症状がひどい場合には精神安定剤の薬も処方されることもあります。
動物病院へ行くことで、知りたいことなどがすぐに聞けるのがメリットだと思います。不安に思っていることや症状などを医師に細かく説明し、相談しましょう。
飼い主が構いすぎないことが大切
分離不安症になる猫は、まだ目も見えない小さい頃から人間に世話をされている子が多く、飼い主を「母」として認識している猫ちゃんが多いです。
小さい頃からずっと愛情を持って育ててきたつもりでも、構い過ぎると猫は独り立ちが出来ずに飼い主がいないと恐怖心、不安を覚えてしまいます。
分離不安症を治すには、まずは飼い主が猫に対して構い過ぎるのを止めなければいけません。
猫が好きだとどうしても構ってあげたくなる気持ちはわかりますが、そこを抑えて適度に距離を保って接することが重要になってきます。
子猫のうちならまだ遊びたい盛りなので改善するのも比較的楽かと思いますが、大人になった猫ちゃんの分離不安症を治療するのは、時間と根気が必要です!
分離不安症で悩んでいる飼い主の方に参考になれば嬉しいです。